◆省令改正『足場からの墜落・転落災害防止』について
建設業における死亡労働災害の4割は墜落・転落災害であり、その内の多くが足場上での作業中に発生しています。
これまでも平成21年6月及び平成27年7月に規則改正が行われ、手すりの高さ変更、中さん・下さんなど設備面の強化、作業者の特別教育受講、足場点検の義務化などが追加され、さらには、フルハーネス型墜落制止用器具の使用も加わりました。
しかしながら、依然高い割合を占める足場上の作業による労働災害防止対策として、今回さらなる規則改正が2023年(R5)3月14日付けで公布されました。
大きくは以下の2項目です。
<改正内容>
①一側足場の使用範囲を明確化 〔施行 2024年(R6)4月1日より〕
足場の設置場所が狭くても幅が1メートル以上あれば、二側足場(本足場)を義務づける。
②足場点検の確実な実施 〔施行 2023年(R5)10月1日より〕
労働安全衛生規則567条において事業者に始業前点検及び異常気象後等の点検を義務付けているが、こうした点検が行われていない事例が散見されたため、個人を指名することで確実な点検の実施を求める。
(a)足場の点検時には、点検者をあらかじめ指名し、その者に点検を行わせることを義務づける。
《点検者の具体的な指名の方法》
①書面で伝達する ②朝礼等において口頭で伝達する ③メールや電話で伝達する ④あらかじめ点検者の指名の順番を決めておいてその順番を伝達する etc.
(b)足場の点検を行ったときは、点検者氏名の記録・保存を義務づける。
≪補足≫ 指名する点検者の保有資格
足場の組立て等作業主任者であって、足場の組立て等作業主任者能力向上教育を受講している者、労働安全コンサルタント(試験の区分が土木又は建築である者)等の労働安全衛生法第88条に基づく足場の設置等の届出に係る「計画作成参画者」に必要な資格を有する者、全国仮設安全事業協同組合が行う「仮設安全監理者資格取得講習」又は建設業労働災害防止協会が行う「施工管理者等のための足場点検実務研修」を受けた者等、十分な知識・経験を有する者から指名することが望ましい。
※ 三井住友建設では、労働安全衛生規則567条2項について、上記資格保有者を指名することを必須とする。
詳細は、下記PDFデータ及び厚生労働省ホームページから確認をお願いします。
① 施行通達基発0314第2号(PDF)
② 条文新旧対比表(PDF)